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ふじの行政書士事務所

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マンションと民泊❹ 国が「マンション標準管理規約」を改正へ 国交省はパプコメを募集

投稿日:2017年7月3日 更新日:

 

先日、住宅宿泊事業法が成立し、いよいよ2018年から民泊解禁ですが、合法的に民泊をやるマンションが出てくる可能性が顕著になりました。今回は、現在※パブリックコメントを募集中の「マンション標準管理規約」の改正とマンションでの民泊・旅館業について解説します。

さて、マンション(共同住宅)での民泊で問題なのは、マンションは一人のものではないということです。マンションは「区分所有」といって、建物の内、自分の持ち分は自己で取得した一部屋のみでその他の部屋については他人のもので、廊下や、エレベーターなどは共有物なのです。

もちろん敷地も割合で案分しています。

したがって、こうした、自分の所有権が完全には及ばない部分がある建物の一部で、民泊や事務所、店舗などを行おうとすると、他の住民とのトラブルの原因となることが多く、昨年初頭には、こうした無許可の営業に対するマンションの管理組合からの差し止めが認められた事例もあります。昨年、大阪地裁で、マンション管理組合が求めていた民泊の差し止め(つまり「民泊禁止」)の仮処分について紹介しましたが、管理組合の言い分を認め、民泊禁止を命じる決定が出たというものです(ただし2017年1月の話です)※後述。

これはマンションでの民泊の考え方に対して、行政ではなく司法の立場から一定の解釈がなされた結果となりましたが、1年以上経過したこともあり、今回、マンション、特に区分所有建物における民泊について総括してみましょう。以下、前回記事のリニューアル版です。

1.マンションに関する用語

●区分所有建物

区分所有とは、例えば、マンションの各部屋を構造上完全に独立して利用できるときは、各部屋ごとに所有権を与えるということです。

通常、分譲マンションは一部屋ごとに販売され(Ex. 201号室 3LDK 4980万円…)、それぞれ所有者が異なるのが一般的です。ですから分譲マンションの1部屋ごとの所有を目的とした権利を「区分所有権」と呼び、当該区分所有権の及ぶ部屋を「専有部分」といいます

参考 区分所有法(抜粋)

(建物の区分所有)

第一条  一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

●マンション

マンション(分譲マンション)とは、一般的には、2以上の区分所有者がいる建物のことを言います(マンションの管理の適正化の推進に関する法律2条1号)

●管理組合

マンションの管理を行う団体や法人をいいます(マンションの管理の適正化の推進に関する法律2条3号。区分所有法3条の区分所有者の団体のこと)。法人格がないものは単に管理組合、登記されて法人格があるものは「管理組合法人」と呼ばれます。両者に大きな違いはありませんが、銀行等への手続きを管理組合名で行えるか否かという違いはあります。

マンションを建設して分譲すると、法律上当然に管理組合が成立し、建物が倒壊し、老朽化による取り壊し等で建物が消滅・滅失した時、また、専有部分を全て買い取りマンションすべての部屋が一人の所有になった時には、管理組合は消滅します。

●管理規約

マンションのルールを自主的に定めたものが規約(管理規約)です。規約で定められることはたくさんあるのですが、法律(区分所有法や民法)に抵触しない限りは、どのように作ろうが自由です。しかし、多くの管理規約は国土交通省の雛形(見本)である『マンション管理規約(標準管理規約)』をベースに作られる場合が多いと思います。

2.違法民泊差し止めの概要

昨年の報道からの情報ですが、大阪市内にある100戸超の分譲マンションで、このうち2部屋が無許可民泊に使用されているとマンション管理組合が判断し、2015年11月に管理組合が大阪地裁に民泊差し止め仮処分を求めていたというもので、地裁がこれを認める決定を出したということです。

詳細はわかりませんが、仮処分による差し止めということは、おそらく、民事保全法に基づく仮処分「仮の地位を求め

る仮処分」のことだと思います。原発の稼働や出版の差し止めなどが有名ですが、民事保全法における裁判は判決ではなく「命令」とか「決定」などにより行われ、口頭弁論をしないですることが可能です。

いろいろな人が「”専ら住居として使用“という規約の文言に対して司法が”民泊NO”の判断を下した。」などというコメントを述べていますが、私は、推測ですが、おそらく、無許可民泊をやっている区分所有者のいい分などは聞いていないのではないかと思います。なぜならば、区分所有者側が言い分を述べて反論し、裁判所に再考を求めたいのなら、異議申し立てを行うはずですから..。

➡ニュース記事はこちら

裁判手続きはさておき(※仮処分や異議申し立については弁護士や司法書士等の専門家のサイトをご覧ください。)本題です。情報が少なく、経緯は引き続き調べていますが、記事には

①このマンションの規約に「専ら住居として利用」と記載

②区分所有法には、全体の利益に反する行為を禁じる規定がある

とありますが、よく、管理規約で問題となるのはやはり①の論点についてです。

「専ら住宅として利用」

このくだりは、現行の標準管理規約の12条に記載があります

(以下、標準管理規約(国土交通省のひな形)の該当部分の抜粋です。)

第4章 用法
(専有部分の用途)
第12条 区分所有者は、それらの部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。

ちなみに”専ら”は”もっぱら”と読みます。

この件については2月に「マンションと民泊②(規約改正)」掲載しましたが、司法判断はともかくとして、この規約の雛形を作った国土交通省自体が以下のように解釈しています。

第12条関係

住宅とし手の使用は、専ら居住者の生活の本拠があるか否かによって判断する。したがって、利用方法は、生活の本拠であるために必要な平穏さを有することを要する。

つまり、居住者の生活の本拠=住宅として使用と言っています。

行政側、特に自治体は、この生活の本拠とは、「住民票の取得」や「30日居住(昭和63年1月29日付厚生省生活衛生局指導課長通知を根拠)」などの解釈を行っている場合が多く、本年1月の大田区の特区民泊の説明会においても「30日(1月)未満の短期の賃貸借は、借家契約ではない」という趣旨の説明がされていました。

※昭和63年1月29日付厚生省生活衛生局指導課長通知をもとに、必ずしも期間の要件だけではないのですが、ウィークリーマンションは旅館業法上の営業だということとされています。

したがって、当該仮処分の一つの考え方として、短期の借家契約(特に寝具の提供)は定期借家ではなく旅館業法上の営業(無許可)に該当する旅館業法上の営業と同様とみなされれば住宅としての使用ではない

という理屈になるのでしょう。実際のところ、裁判所の判断した理由はわかりませんが、民泊≠生活の本拠ということなのでしょう。

3.標準管理規約の改正 ~住宅宿泊事業法の運用に伴う改正~

さて、このような裁判所の考えを考慮してかどうかは定かではありませんが、民泊新法(住宅宿泊事業法)の成立を受けて、国土交通省が、平成29年6月19日に「マンション標準管理規約」の改正(案)に関する※パブリックコメント(意見公募)を開始しました。

※用語:パブリックコメント(パプコメ)とは、規制の設定、改廃等にあたり、政府や自治体が、法律、政省令、条例等の案を公表し、この案に対して国民・市民からの意見を提出を求め、その意見・情報を考慮して意思決定を行う手続です。

つまり、標準管理規約で民泊についてははっきりさせるよう国が動き出したのです。

↓以下、同省のパブコメ募集の文面です。

添付資料

別紙資料1(PDF形式)PDF形式

別紙資料2(PDF形式)PDF形式

以下、ポイントを解説します。

改正の概要

改正の概要は、1点で、
●マンションの管理組合が民泊を許可する場合は、
「区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用することができる。」
●マンションの管理組合が民泊を許可しない場合は、
「区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。」
となっていて、可能な限り管理規約の中で、民泊ができるのかどうかを記載するということです(当然ながら旅館業については当然ながら禁止であると解されます)
 皆さまもご意見があれば、国のパブコメに公募してみてはいかがでしょうか?

リンクはこちら→国土交通省サイトへ

民泊を認める場合と旅館業法の関係

●民泊容認の場合

マンションが民泊を容認する場合、国の改正案のような管理規約の改正がすっきりします。

投資用マンションなどは、このような条項がなくとも、容認する場合もありうると思いますが、ただ、それでも好き勝手に民泊経営をしていいかというとそうではないと思いますので、国の方針どおり規約を民泊可能なタイプに改正すべきであるとは思います。

民泊をOKにするのであれば、ある一定のルールに沿って行われるべきであり、それが、「管理規約」の改正なのですが、同時に「細則」も定めるべきでしょう。

また、旅館業法上の許可である、ホテル旅館、簡易宿所は今回の標準管理規約改正とは関係ありませんが、規約改正を行うのであれば、同時に検討するべきです。

メリットとして、投資用物件としての利回りは上がりますが、しかし、マンションで営業許可を取るとマンション→商業ビルのように用途が変更になりますので、

税制上の取扱の変更:住宅から商業用に転用するとなると、消防法や建築基準法上の規制のみならず、マンション全体としての税法上の優遇もなくなり、全体として固定資産税(土地)などが増加するリスクもあります。

用途変更の確認申請:建築基準法上の建物としての用途が変わる場合がありますから、用途変更の確認申請が必要になるケースがあります。ここまでくると区分所有者個人のビジネスの話ではなくなってきます。

これは慎重に検討すべきです。

●民泊を禁止する場合

同様に禁止の場合ですが、新法の対応は前述のとおりですが、マンションで絶対に民泊、旅館業を禁止したいのであれば、規約を改正するなり、使用細則を定めるなりして何らかのルールを明文化する必要があると思います。

規約の改正自体は、管理組合の総会の特別決議で行いますが(こちらについては➡過去の記事を参照ください。)、規約を改正するのであれば、なるべく早急に行う必要があります

というのも、区分所有法は「一部の区分所有者の権利に影響を及ぼす規約の改正を制限」していますから(区分所有法31条参照)、民泊をやる区分所有者が増加すると、この区分所有の既得権として民泊が保護対象となり規約改正自体が「既得権の侵害」として無効となる可能性も否めません。

ですから、規約の改正をするのであれば、なるべく新法施行に合わせ、かつ、マンションの区分所有者の総意をはかり進めたながら、方がよいということです。

過去記事はこちら

マンションと民泊③ 民泊の差し止めと「管理規約」2016.5.27

マンションと民泊②(規約改正)2016.2.28

マンションと民泊①2016.2.4

 

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