民泊代行業に対する摘発

民泊代行業者への締め付けが増しています。

特に目新しいのは、民泊代行業者の摘発で、最近の事例だけでも、

●京都府:京都府警生活経済課と右京署は10月30日、京都市右京区の民家で民泊の無許可経営の代行やあっせんをしたとされる業者(名古屋の不動産業者の経営者など4名)を旅館業法違反で、書類送検

●同時に空き物件で民泊営業していた東京都の会社員の男(33)を書類送検

●大阪府:民泊を無許可運営した疑いで、コンサルタント会社経営の男性2人(大阪市の元非常勤嘱託職員)を旅館業法違反で書類送検

↓詳細は民泊大学掲載記事が分かりやすいと思います。

運用代行業者も捜査対象に 相次ぐ違法民泊摘発 警察、行政指導無視で立件に踏み切る | 民泊大学

なお、これ以前にも摘発事例はたくさんありますが、これまでは、無許可営業している事業者そのものが摘発対象である場合がほとんどでした。しかし、ここにきて、摘発の対象が代行業者へ拡大しています。

これは、旅館業法上の無許可営業を行っている主体が、所有者なのか代行業者なのかということなのですが、

旅館業法の条文を読むと以下のように書かれていますので、あくまでも経営の主体が誰があるかということがポイントとなります。

旅館業法(抜粋)

第三条 旅館業を経営しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。第四項を除き、以下同じ。)の許可を受けなければならない。

 

第十条 左の各号の一に該当する者は、これを六月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項の規定に違反して同条同項の規定による許可を受けないで旅館業を経営した者
二 第八条の規定による命令に違反した者

今回、警察は、旅館業法上の経営者=代行業者という認識のもとに送検したということが理解できます。

おそらくこうした動きは、来年の6月の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行をにらんだ動きであることは明らかであり、今後施行に向け締め付けが厳しくなることは必至です。

また、対象についても、代行業者のみならず、譲渡やあっせんに関与した業者にも波及する可能性があるとも考えられます。

以下摘発事例です。

2016.7 東京都台東区   台東区で無許可⺠泊を旅館業法の許可を取得せずに営業したとして、

  • 旅館業法違反の疑いで警視庁下谷署は7月13日、ジャスダック上場会社と関連連会社の2社及び、両社の役員男⼥6⼈が書類送検 。5月1から21日までに外国人観光客4組を1泊4000円で繰り返し宿泊させた旅館業法違反の容疑で、役員らはいずれも容疑を認めているという。
  • 警視庁によると、同じ物件で昨年5月から民泊仲介サイトでゲスト(宿泊客)を募集していたとのことで、1年間で約1300人を宿泊させ、計1323万円を売り上げていた模様。
  • 送検に先駆けて、同社は6月、民泊からの撤退を表明
  • 20164⽉ 大阪

⼤阪市で旅館業法の許可を得ずに旅⾏者を繰り返し宿泊させた疑いで、⼥性と夫婦の計3⼈が旅館業法違反で書類送検

  • 201511⽉ 京都

京都市右京区の賃貸マンションの44室中34室で、観光客約300⼈を無許可で宿泊させ、旅館業法違反で書類送検

  • 20145⽉ 東京

木造3階建ての⾃宅の1、2階部分にある3部屋(24.9㎡)を1泊1⼈約2,500円から5,000円で旅⾏者に提供していた英国⼈男性(28)が旅館業法違反で逮捕。略式命令(罰⾦3万円)

  • その他

2015年7月  渋谷区で22日夜、4歳の女の子がマンション12階から転落し、まもなく死亡。この部屋は無許可民泊として貸し出されていたようで、中国人の母親が留守にしている間、ベランダから転落

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