建設業許可 (決算変更届)

建設業許可

元請・下請、個人・法人を問わず、建設工事を請け負う者(建設業を営もうとする者)は、29種の建設業の種類(業種)ごとに、国土交通大臣又は都道府県知事の建設業許可を受けなければなりません。

ただし、次に掲げる軽微な建設工事(小規模工事)のみを請け負う場合は、建設業許可を受けなくとも営業できるものとされています。

●建築一式工事

①一件の請負代金が1,500万円未満の工事(税込)

②小規模工事⇒請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事(主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供すもの。)

●建築一式工事以外の建設工事

①一件の請負代金が500万円未満の工事(税込)

※「建築一式工事」とは建物の新築・増築など、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事をいい、改修工事(リフォーム)、外壁補修工事などは、仮に規模が大きな工事であっても「建築一式工事」には該当しません(工務店には特段の営業許可は不要)。

建設業の業種

  • 土木工事業
  • 建築工事業
  • 大工工事業
  • 左官工事業
  • とび・土工工事業
  • 石工事業
  • 屋根工事業
  • 電気工事業
  • 管工事業
  • タイル・レンガ工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 鉄筋工事業
  • 舗装工事業
  • しゅんせつ工事業
  • 板金工事業
  • ガラス工事業
  • 塗装工事業
  • 防水工事業
  • 内装仕上工事業
  • 機械器具設置工事業
  • 熱絶縁工事業
  • 電気通信工事業
  • 造園工事業
  • さく井工事業
  • 建具工事業
  • 水道施設工事業
  • 消防施設工事業
  • 清掃施設工事業

建設業許可の要件

一般建設業許可かつ知事許可について、満たせば許可取得が期待できます。

❶経営業務の管理責任者(経管)の要件

これは、経営者としての経験が十分にあるか、という要件です。経営者とは、会社の社長、役員や、個人事業主のことをいいます。

要件は、

  • 5年以上建設業(●●工事業)を行う会社の役員(もしくは個人事業主)であった
  • 7年以上、○○工事に関わらず何かしらの建設業を行う会社の役員(もしくは個人事業主)であった

となります。つまり、5年以上7年未満の年数であれば、許可を取りたい業種の経営経験が必要です。7年以上であれば、業種は関係なく、何かしらの建設業(許可の有無は関係ありませんが、照明が必要)を行っていれば可能です。

・経営者であったこと

・その会社が建設業を行っていたこと

を、書面により証明しなければなりません。経営者であったことは、会社役員の場合は登記簿謄本、個人事業主の場合は確定申告書により証明するのが一般的です。

建設業を行っていたことは、

①建設業許可を持っていた場合→許可通知書

持っていなければ→工事の契約書や注文書、請求書等を提示して証明

することになります。

なお、経営経験がある者が、申請会社に常勤の役員として勤務していることも証明しなければなりません。証明方法として、役員として登記された登記簿謄本と、社会保険の加入が一般的です。

経営業務の管理責任者の要件を満たせないため、建設業許可の取得を断念せざるを得ない場合があります。

❷専任技術者(専技)の要件

専門的な知識や経験が十分にあるのか、という要件です。

の要件は

  • 業種ごとに定められた資格を所持している
  • 10年以上、建設業(○○工事業)を行う会社の従業員であった

となります。つまり、有資格者またはー、10年以上の実務経験者がいる必要があります。

資格については業種ごとに異なり、詳しくは↓をご覧ください。

 

実務経験については、建設業を行っていたこと、従業員であったことを、書面により証明しなければなりません。

建設業を行っていたことは、

・建設業許可を持っていた場合は許可通知書を、持っていなければ工事の契約書や注文書、請求書等を提示して証明することになります。

・従業員であったことは、通常、社会保険の加入記録により証明します。

また、専任技術者も申請する会社に常勤で勤務していることを証明しなければなりません。専任技術者については従業員であればよく役員である必要はありません。もちろん役員であっても問題ありません。証明方法としては社会保険の加入が一般的です。

実務経験は、建設工事の施工に関しての技術上の職務経験を言いますので、発注にあたって設計技術者としての経験、現場監督技術者しての経験、土工やその見習いとしての経験、もすべて含まれます。
※ただし、現場を掃除しただけ、交通整理など雑務のみの経験は含まれません

《参考:一般建設業の許可を受けようとする場合の専任技術者の要件(国土交通省HP抜粋)》
[1]-1指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、高校卒業後5年以上若しくは大学卒業後3年以上の実務経験を有し、かつ、それぞれ在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者
[1]-2指定学科修了者で専門学校卒業後5年以上実務の経験を有する者又は専門学校卒業後3年以上実務の経験を有する者で専門士若しくは高度専門士を称する者
・許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、専門学校後5年以上の実務経験を有し、かつ、在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者
・許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、専門学校後3年以上の実務経験を有し、かつ、在学中に許可を受けようとする建設業に係る建設工事ごとに指定された学科(指定学科)を修めている者のうち、専門士又は高度専門士を称するもの
*専門士は専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号の付与に関する規定(平成6年文部省告示第84号)第2条、高度専門士は同告示第3条に規定のものを指します。
*「指定学科」とは、建設業法施行規則第1条で規定されている学科で、建設業の種類ごとにそれぞれ密接に関連する学科として指定されているものです。

[2]許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、10年以上実務の経験を有する者

[3]-2複数業種に係る実務経験を有する者

複数業種に係る実務経験を有する者一覧へ

 

❸財産要件

資金を500万円以上用意できるのか、という要件です。

・銀行口座の残高が500万円以上・・・銀行からの残高証明書の発行により証明

・決算書の貸借対照表における純資産の合計額が500万円以上となっていれば、それだけで要件を満たします。

 

決算変更届

建設業許可を受けた者は、毎事業年度が終了した後、4か月以内に「決算変更届(決算報告)」を作成・提出しなければなりません。

決算変更届とは簡単に言うと、建設業者の免許許可等への決算報告のことです。

「決算変更届」が提出されていない状態では、建設業許可の業種追加、建設業許可の更新申請はできません。決算変更届の未提出については特段の行政処分はありませんが(建設業法には処罰規定があります。)、免許の更新ができなくなったりしますから、当然ですが、毎年提出すべきです。

建設業許可の更新申請時等に未提出の「決算変更届」を数年間分まとめて提出される事業者も見受けられますが、建設業許可の更新申請時に数年間分の「決算変更届」の作成は多大な時間を要するため、建設業会計様式での決算書の作り直し、また、書類が紛失したりしていれば、なおさら許可更新申請に間に合わなくなる恐れもあります。

当事務所では、建設業法の規定に従い、決められた期間内に「決算変更届」の作成・提出を推奨しています。

決算変更届を提出しないとどうなる?

◆決算変更届は、事業年度終了後4か月以内に提出しなければいけません。

建設業法から抜粋
(変更等の届出)
第十一条

1 略
2  許可に係る建設業者は、毎事業年度終了の時における第六条第一項第一号及び第二号に掲げる書類その他国土交通省令で定める書類を、毎事業年度経過後四月以内に、国土交通大臣又は都道府県知事に提出しなければならない。

決算変更届を提出していない場合は、6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されることがあります。↓

罰則
第五十条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一  略
二  第十一条第一項から第四項まで(中略…)の規定による書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出した者

◆定められた期限内に決算変更届を提出しなければ「始末書」の提出を求められることがあります(東京都の場合)。

◆提出された決算変更届は誰でも閲覧可能。したがって、提出されていないということで、営業活動がなされていないと見られると信用を失う可能性があります。

決算変更届にかかる当事務所の報酬

1業種の場合

手続きの種別区分申請

手数料

当事務所報酬その他

(納税証明等取得費)

決算変更届知事・一般045,0001通2千円(行政手数料込)、変更届提出代行費用5千円
決算変更届知事・特定050,000
決算変更届大臣・一般060,000
決算変更届大臣・特定070,000
(※税抜き,円)(※税抜き,円)

※ 別途顧問契約の場合は2割引き、過去にご依頼をいただいた場合、複数の申請を一度に依頼いただく場合は1割引です。

1.追加1業種につき、1万円加算となります。
3.兼業ありの場合は、兼業売上原価報告書が作成されているなど、  建設業と兼業の区分がなされている場合のみお受けします。
4.都道府県への提出はお客様に行っていただきます。当事務所で行う場合は、別途費用が発生します。

※ 上記は、建設業会計で処理できるための資料がそろっている場合の価格です。別途資料作成が必要な場合は、お見積いたします。

決算変更届作成代行(全国対応)※書類作成のみも対応可能(書類をメールで送付いただける方に限ります。都道府県知事許可の場合のみ対応)。

手続の流れ

1お客様お申込
2当方お申込受付メール(又はfax)、契約書又は申込書の送付
3お客様費用のお振込
4お客様次の書類を当事務所へご郵送
・業務依頼書(押印後のもの)
・確定申告書一式(写)
・工事実績がわかる書類(日付、工事の種類や工賃、材料費がわかるもの)※確認書類
・建設業許可通知書(写)
・直近の建設業許可申請書(副本またはコピー)
・前期分の決算確定申告書類(写)
・前期分の決算変更届(原本又は写)
5当方決算変更届作成
お客様へ決算変更届を郵送
(注)書類をご送付いただいた後、約2~4週間で作成・ご郵送いたします。
なお、込み具合によって期間が変動しますので、了承ください。
6お客様

または当方

都道府県へ決算変更届を提出

決算変更届(決算報告)に必要な書類一覧

決算変更届に必要な書類は次のとおりです。

 

書類名様式書式
1決算変更届出書決算変更届書式
2工事経歴書
3直前3年の各事業年度における工事施工金額
4財務諸表
【法人の場合】
貸借対照表
損益計算書・完成工事原価報告書
株主資本等変動計算書
注記表
付属明細表
※資本金が1億円超、または貸借対照表上の負債合計が200億円以上の場合のみ
【個人の場合】
貸借対照表
損益計算書
5事業報告書(株式会社のみ)
6納税証明書
【法人・大臣許可】法人税
【個人・大臣許可】所得税
【知事許可】事業税
7使用人数※
8令3条の使用人一覧表※
9国家資格者等・監理技術者一覧表※
10定款※定款又は
株主総会議事録の写し

(注)上表の決算変更届の書式は、兵庫県建設業課公式サイト内の様式ダウンロードページにリンクしています。なお、※印の書類は変更があった場合のみ提出が必要です。

決算報告の必要書類(東京都の様式です 2017.2現在)

財務諸表については、法人は4~8、個人は9、10を使用してください。

様式番号名称記載要領様式
PDFExcel
ナンバー1別紙8 変更届出書PDFファイル104KBエクセルファイル版ダウンロード200KB
ナンバー2様式第2号工事経歴書PDFファイル148KBPDFファイル21KBエクセルファイル版ダウンロード30KB
ナンバー3様式第3号直前3年の各事業年度の工事施工金額PDFファイル23KBエクセルファイル版ダウンロード30KB
ナンバー4様式第15号財務諸表 貸借対照表(法人用)PDFファイル91KBPDFファイル18KBエクセルファイル版ダウンロード35KB
ナンバー5様式第16号財務諸表 損益計算書・完成工事原価報告書(法人用)PDFファイル87KBPDFファイル94KBエクセルファイル版ダウンロード36KB
ナンバー6様式第17号財務諸表 株主資本等変動計算書PDFファイル105KBPDFファイル41KBエクセルファイル版ダウンロード32KB
ナンバー7様式第17号の2財務諸表 注記表PDFファイル195KBPDFファイル173KBワード版ダウンロード23KB
ナンバー8様式第17号の3財務諸表 附属明細表

(株式会社で資本金が1億円を超える、又は貸借対照表の負債合計が200億円以上の場合のみ)

PDFファイル166KBPDFファイル162KBワード版ダウンロード88KB
ナンバー9様式第18号財務諸表 貸借対照表(個人用)PDFファイル69KBPDFファイル16KBエクセルファイル版ダウンロード27KB
ナンバー10様式第19号財務諸表 損益計算書(個人用)PDFファイル70KBPDFファイル75KBエクセルファイル版ダウンロード30KB
事業報告書 (株式会社の場合のみ)
任意様式なのでHP上には掲載していません。法人で作成したものを添付してください
納税証明書
大臣許可:法人は法人税、個人は申告所得税(税務署発行)
知事許可:法人は法人事業税、個人は個人事業税(都税事務所発行)
様式第4号「使用人数」、様式第11号「建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表」及び「定款」は変更があった場合のみ添付します。

個人で、8月半ばまでに提出する場合や事業所得が一定額以下の場合は、税務署発行の申告所得税の「納税証明書(その2)」に事業所得を付記したものを添付します。

その他当事務所の強み

●当事務所(所長)は、独立行政法人、その他の企業で会計事務に携わっており(退職時の役職は経理課課長代理)会計事務については、10年以上の経験を有します。通常の企業会計から予算書の作成、監査法人、財務省との協議など、幅広く経理会計実務に携わっていました。

一般の企業会計や建設業会計のみならず、公益法人会計会計、農業会計についても得意としています(会計に係る経歴・資格:商業高校(商業課)卒業、武蔵大学経済学部卒業 簿記能力検定2級(高校在学中) 簿記の経験は16歳から) 。