東京23区の旅館業要件の比較

東京23区の各旅館業の要件で重要なものを掲載します。2025.11.1現在

区     フロント設置要件常駐要件駆けつけ時間
(目安)
入室方法   その他
千代田区必要常駐常駐対面説明会や周知はなし
中央区必要常駐常駐対面説明会や周知はなし
港区駆けつけ可徒歩・自転車で概ね10分程度 車の場合は駐車場必要ICT機器等で代替設備可周知20m、標識設置
新宿区 駆けつけ可徒歩・自転車で概ね10分程度 車の場合は駐車場必要ICT機器等で代替設備可住居部分と旅館業部分は導線分離、申請時建築士の証明書
文京区 駆けつけ可徒歩10分対面標識設置、説明会、事前協議あり 難易度高
台東区なしだが、ほぼ常駐施設内常駐施設内常駐ICT機器等で代替設備可近隣周知+紹介対象施設周知
墨田区 駆け付け可→※2026年度から施設内等常駐に改正の動きあり徒歩10分以内 道程1km以内キーボックス可/不可は条件による説明会or対面周知、標識設置
江東区 駆けつけ可徒歩10分 常駐に近い(検査時計測)ICT機器等で代替設備可説明会or対面周知、標識設置
品川区 駆けつけ可10分 徒歩ではなくても可ICT機器等で代替設備可キーボックスの可否は条件次第
目黒区なしだが、施設外に必要駆けつけ可徒歩10分以内(800m)対面 
大田区 駆けつけ可10分程度目安ICT機器等で代替設備可説明会or対面周知、標識設置 ※常駐する場合は周知不要
世田谷区 駆けつけ可10分以内の駆けつけを目安 徒歩以外可ICT機器等で代替設備可 
渋谷区 駆けつけ可10分以内の駆けつけを目安 徒歩以外可ICT機器等で代替設備可 
中野区 駆けつけ可10分以内の駆けつけを目安 徒歩以外可ICT機器等で代替設備可周知(ポスティング可)、標識
杉並区 駆けつけ可徒歩10分以内(800m)ICT機器等で代替設備可 
豊島区なし、現地には不要常駐不要だが運営事務所の所在(豊島区内)10分以内の駆けつけを目安 徒歩以外可対面 
北区フロント設置を求める場合あり、簡易宿所は緩和フロント設置を求める場合あり、簡易宿所は緩和常駐または短時間駆けつけ対面(簡易宿所は規模により緩和) 
荒川区必要常駐常駐対面説明会、標識、町会等との合意 難易度高
板橋区 駆けつけ可徒歩10分以内(800m)(検査時計測)ICT機器等で代替設備可×
練馬区常駐建物内等常駐常駐ICT機器等で代替設備可説明会、標識
葛飾区 駆けつけ可→2026年度より常駐の動きあり徒歩10分(Ikm)以内→2026年度より常駐の動きありICT機器等で代替設備可周知20m、標識
足立区 駆けつけ可徒歩10分以内(検査時計測)ICT機器等で代替設備可 
江戸川区 駆けつけ可徒歩10分以内(800m)ICT機器等で代替設備可周知(10m)

参考 東京23区の住宅宿泊事業の規制状況と届出件数

今後、墨田区、葛飾区、豊島区は規制強化の見込み

墨田区:現在、墨田区では「住宅宿泊事業等宿泊施設による区民の生活環境への悪影響を防止するための規制の在り方」を検討中。

区内全域で、実施を制限する期間は、日曜日正午から金曜日正午まで。ただし、届出者又は管理業者等が施設内又はその周辺に常駐し、周辺地域の⽣活環境の悪化を自ら認識することができる場合は、住宅宿泊事業の実施を制限しない。

・周辺住⺠に対する説明会の開催等を義務付ける規定など、

条例施行前に届出を行った施設は、適用対象外

※参考:旅館業の改正概要(素案段階)
ア 申請予定者が周辺住⺠等に対して、事前に説明すべき事項を住宅宿泊事業と同等のものとする。
営業者の遵守事項に、営業者が営業施設周辺の⽣活環境の悪化を自ら認識できる場所に、従事者等が常駐する義務を加える。
ウ 旅館業営業施設の構造設備基準に、ウに規定する従事者が常駐するための部屋を設置する義務を加える。
エ 経過措置として、改正条例等の施行前に許可申請を行った施設及び許可を受けた施設は、上記イ及びウを適用対象外とする。

※現行の台東区の規制に酷似しています。

葛飾区:2025年9月時点で「住宅宿泊事業及び旅館業に関する条例案(仮称)」の素案が出されており、4月の施行を目指して意見募集を開始しています。 →ポイント:今後、営業できる曜日や時間帯・住宅地での平日営業制限等が盛り込まれた新条例の施行が予定されており、現行制度より規制が厳しくなります。

豊島区:現状は、特段の上乗せ規制はなく、運営上、鍵の対面受渡し・苦情対応程度ですが、条例改正議案の審議予定があり、今後、住環境保護の観点から追加制限が出る可能性が濃厚です。

  • 営業可能期間を夏休み・冬休みに限定
    営業できるのは 7月1日〜8月31日(夏休み) と 12月20日〜翌年1月10日(冬休み) のみ。
    年間合計 84日間のみ営業となる。
  • 住居専用地域・文教地区での新規開設禁止
    区の約半分を占めるエリアでは、新たに民泊開業が不可となり、既存の民泊も営業期間制限の対象
  • 既存事業者にも適用
  • 新たな運営ルール
    • 周辺住民への事前説明会
    • 海外事業者に国内代理人の設置を義務化
    • 町会との協議、トラブル時の話し合いの場の設置
      など


要注意ポイント:今は特段の上乗せ規定はありませんが、かなり厳しくなり、訴求適応も辞さないようそうですので、将来の制限を現実的に想定しておいた方がよいでしょ。

※2025.10末現在の情報をもとに執筆しています。