2つの用途地域にまたがる場合の考え方

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用途地域のお話は、当サイトや姉妹サイトの用地取得に関する記事で、数回、ご紹介しましたが、今回は、2つの用途地域にまたがる場合の取扱いについての解説です。

複数の用途地域の取扱い

複数の用途地域にまたがる地域は、各用途制限ごとに適用が異なります。面積が大きい方の制限が全体に適用される場合もあれば、そうではない場合もありますので、項目ごとにもて行きましょう。

建物の用途|過半支配

土地の面積が大きい方、つまり、敷地の過半がある用途地域が敷地全体に適用されます。なお、土地により決まるため、建物が敷地のどこに建っているかは関係ありません

過半を占めている用途地域の規定を適用!!

この場合は、近隣商業地域の規制を適用します。ホテル、旅館で言えば第2種低層住居専用地域には建設できませんが、近隣商業地域には建設できます。上記の場合、近隣商業地域の基準が適用され、ホテル、旅館は建設できることになります。

このような過半を占める用途地域の適用を「過半支配」といいます。

過半を占める用途地域がない場合|3つ以上の用途地域にまたがる場合は?

なお、3つ以上にまたがる場合についても過半を占めるものがあれば、火の用途地域の基準が適用されます。

なお、3種類の用途が何れも過半を占めない場合は複雑で、各用途地域ごとに建築可能な部分を合計し、過半を占めるかどうかで判断します。

❶近隣商業地域40㎡
❷第一種住居地域20㎡
❸第2種低層住居専用地域40㎡

この場合、ホテルを建設可能なのは、近隣商業地域と第一種住居地域ですが、それぞれの面積を合計すると60㎡➡敷地全体100㎡の過半を占めていますので➡ホテルは建設できるということになります。

(❶+❷)/(❶+❷+❸)=60% ➡ 建てられる用途地域が過半以上なのでホテル建設が可

防火地域、準防火地域|防火規制

防火の基準については、最も厳しい規制が建物全体に適用されます。防火と準防火であれば、防火地域の規制が適用されます。

中央の四角が建物

原則は防火地域の基準で建物を建設することになります。

なお、準防火地域のに防火壁を設けることで、防火壁を境に規制の緩い準防火地域の規定を適用することも可能です。

高さ制限

用途の境界(建物)で、それぞれ別々に適用されます。

つまりこのようなイメージとなります。

この場合、第2種低層住居専用地域側は、10mまたは12mの絶対高さの制限を受けるため、正面から見ると、第2種の側は、建物を低くしなければなりません。

斜線規制も同様で、道路斜線制限、北側斜線制限、隣地斜線制限も用途地域ごとに別々に適用されます。

建ぺい率、容積率

用途地域ごとの敷地面積の面積で按分計算します。こちらは宅建試験などで割と有名ですね。

  1. 商業地域の建蔽率:❶ 120㎡×80%=96㎡
  2. 第一種住居地域の建蔽率:❷ 80㎡×60%=48㎡
  3. この土地に建てられる建物の面積:❸ 96㎡+48㎡=144㎡
  4. 上記建蔽率:144㎡/200㎡(土地の面積)=72%

※以下の緩和措置は計算上除外しています。

  • 防火地域内にある耐火建築物➡10%緩和
  • 角地の緩和➡10%緩和
  • 特定行政庁が指定する地域内にある建築物➡10%緩和

上記2つに該当すると20%緩和

容積率も同様に計算します。

以上、今回は2以上の用途地域にまたがる場合の考え方を紹介しました。旅館業用地に限らず、用途地域規制全体に通じる考え方なので、参考にしてください。

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