自動火災報知設備についての規制緩和まとめ|特定小規模施設用自動火災報知設備の特例

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自動火災報知設備については、旅館業であっても、民泊であっても設置が義務化されています。自動火災報知設備は消防法に規定される消防設備であり、スプリンクラー、誘導灯、避難器具と並び、消防上、非常に重要な設備です。

自動火災報知設備は、従来は有線配線の複雑な機器のみでしたが、近年、特定小規模施設用自動火災報知設備が登場し、価格が安価で、取付も容易なことから、設置事例が飛躍的に増加しています。

しかしながら、特定小規模用の設備が使用できるか否かは、基準が法定されていないものが多く、極めて不透明であるため、今回は、Q&A方式で、わかりにくいポイントを解説しますので、資料集としてご活用ください。

Q.1 自動火災報知設備とは?

自動火災報知設備は、感知器を用いて火災により発生する熱や煙を自動的に検知し、受信機、音響装置を鳴動させて建物内に報知することにより、避難と初期消火活動を促す設備である。

出典:wikopedia

とありますが、要するに、建物の一部で火災等が発生した場合、建物全館に警報機を鳴り響かせ火災を知らせるシステムのことで、火災部分だけ警報が鳴る住宅用の火災報知機とは全く異なります。

建物ごとの設置基準については過去の記事をご覧ください。

Q.2 特定小規模用自動火災報知設備とは?

以前は、旅館ホテルについては、小規模建物への自動火災報知設備の設置は不要でした。 しかし、2015年4月1日より、自動火災報知設備を設置しなければならない防火対象物に延べ面積が300㎡のものが追加され、すべての施設に設置が義務化されましたが、この規制強化が、特定小規模用自動火災報知設備の普及に寄与しました。

設置の根拠となる規定は、特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成20年12月26日総務省令第156号)です。省令はこちら

これによると、小規模の建物=定義は300㎡以下については、簡易型の認定を受けた、無線連動式の特定小規模施設用自動火災報知設備の設置が可能とされています。

なお、階段の形状や建物のの用途により(EX.特定一階段等、設置の有無や設置個所等について、ここに異なりますので、一概に可否は判断できませんのでご注意ください。

Q3.一般住宅の一部を民泊・旅館業転用する場合の特例は?

民泊・旅館業が建物全体の半分未満で50m2以下➡設置しなくてよい(住宅用火災警報器でよい)

民泊・旅館業が建物全体の半分未満で50㎡超or建物の半分を占める場合➡民泊・旅館業部分のみ自火報の設置

民泊・旅館業が住宅の半分以上を占める場合➡自火報は全館に設置

Q4.民泊・旅館業を含む複合用途 (16項(イ)) の建物への自火報の設置は必要?|

消防法で定めるいろいろな用途の集合体を 特定用途複合防火対象物 と言いますが、これらは特定用途の防火対象物の割合がどのくらいあるかで、設置の基準が異なります。

小規模特定用途複合防火対象物 の特例

延べ床面積が300㎡以上~500㎡未満の場合(又は500㎡以上の建物の場合)、民泊部分が 10分の1以下であり、かつ、300㎡未満 の場合は、 設置が必要な部分(民泊部分)のみに設置すれば足りますこの場合の自動火災報知設備は無線連動式の特定小規模施設用自動火災報知設備の設置が可能です。

国土交通省資料 民泊サービスのあり方に関する検討会資料 https://www.mlit.go.jp/common/001129473.pdf

≧延べ床面積1/10 or ≧民泊お旅館業部分300㎡ ➡特定小規模施設用で可

上記の民泊の部分以外に、飲食店などの自火報を設置しなければならない部分がある場合は、これらを合算して、1割を超えると、通常の自火報の設置が必要となり、あくまで建物全体で考えますのでご注意ください!!

Q5.本来、特定小規模用自動火災報知設備の設置ができない建物の緩和は?

原則では、特定一階段等防火対象物に該当する建物(一般的には、外部に開放されていない内階段が1系統などの建物のことです。)は、無線連動式の特定小規模施設用自動火災報知設備の設置はできませんが、以下の場合は可能であるという見解が示されています。

❶一戸建ての建物の全部又は1部を民泊・旅館業利用する場合

3階以下の建物の一戸建て(アパートなどの共同住宅ではありません)については、以下の条件を満たす場合、一般の自動火災報知設備に替えて 無線連動式の特定小規模施設用自動火災報知設備の設置が可能です。

出典:消防用設備等に係る執務資料の送付について(
平成30年3月15日  消防予第83号 消防庁予防課長通知)

❷共同住宅の一部を民泊・旅館業とする場合

特定小規模施設用自動火災報知設備を設置することができる防火対象物に、令別表第一(5)項イ及びロ以外の用途に供される部分が存しない同表(16)項イの用途に供される防火対象物で、延べ面積が300㎡以上500㎡未満のもの(同表(5)項イの用途に供される部分の床面積が300㎡未満のものに限る。)を追加する。

出典 消防法施行規則等の一部を改正する省令等の参考資料の送付について H30.6.1 消防庁予防課事務連絡より抜粋
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/180601_yobo_jimu1_.pdf

原則として500㎡以上の延べ床面積の共同住宅(マンション、アパート)については、特殊な場合を除き、全館に自動火災報知設備が設置してありますが、500㎡未満の共同住宅の一部を民泊・旅館業に転用する場合は、ある程度の緩和措置があります。

500 ㎡未満の共同住宅の一部を旅館・ホテル等として利用する防火対象物(旅館・ホテル等の部分が300 ㎡未満のもの➡ 無線連動式の特定小規模施設用自動火災報知設備の設置が可能

( 平成30年3月の 特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成20 年総務省令第156 号)の一部改正により緩和されました。ただし、あくまでビル全体が共同住宅となっていますので、これ以外の組み合わせの複合用途の建物については、この緩和は受けられないものとされています。)

ただし、建物には5項イ(民泊、旅館業)と5項ロ(共同住宅)に限定しているため、これ以外の用途の部分がある場合は、緩和の対象となりません。

参考|特定小規模施設用の自動火災報知設備に戸数の制限がある。

2020.1現在、無線式の標記の自火報については、設置個数に制限があり、16個のものが認可された製品の最大とされています。したがって、部屋数が多いなどで16個超の設置個所必要な場合、特定小規模施設用は使用できず、通常の有線式のものの設置を行うこととなります。

参考となる消防法令関係の過去記事

消防法令について(特定小規模施設用自動火災報知設備のはなし)
民泊と自動火災報知設備について(詳報)最近、特区民泊や簡易宿所許可の件で、消防関係法令について調べたり、各地の対象物件の所在する消防署にヒアリングする機会が多いので、久しぶりに消防法についてのお話をします。以前にもお話しましたが、民泊をやる

 

 

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