「自分の山があるからキャンプ場にしよう」「BBQ場をセットにして手ぶらプランを作ろう」 そう考えたとき、立ちはだかるのは「法律の壁」です。「無許可営業」と言われないために、必要な許認可を整理しました。
「宿泊」に関する規制:旅館業法
キャンプ場そのものを規定する「キャンプ場法」というものは存在しません。ポイントは「どんな施設に泊まらせるか」です。
- 許可が不要なケース: 利用者が自分のテントを持ち込み、場所だけを貸す(サイト利用料のみ)場合は、原則として旅館業法の許可は不要です。
- 許可が必要なケース(簡易宿所営業): バンガロー、コテージ、常設テント、あるいは「あらかじめ設営されたグランピングテント」などを提供し、宿泊料を取る場合は「旅館業法(簡易宿所営業)」の許可が必要です。
- 根拠法: 旅館業法 第2条→有料で宿泊させて、寝具などを提供すると抵触します。
- 注意点: トイレの数や洗面設備、換気など、構造設備基準をクリアする必
- 要があります。

「BBQ・食事」に関する規制:食品衛生法
BBQ施設を併設する場合、「食材を提供するかどうか」が問題です。
- 許可が不要なケース: 「場所とコンロだけ貸すので、食材は持ち込んでください」というスタイルなら、飲食店営業の許可は不要です。
- 許可が必要なケース(飲食店営業許可): 「手ぶらBBQセット」として肉や野菜を提供(カットして提供する等)する場合、「食品衛生法に基づく飲食店営業」の許可が必要です。
- 根拠法: 食品衛生法 第52条
- 必須事項: 「食品衛生責任者」を1名以上置くこと、保健所の基準を満たした調理・洗浄設備があることが求められます。
「土地の造成」に関する規制:森林法・都市計画法
キャンプ場を作るために木を伐採したり、地面を平らにしたりする場合、土地そのものに対する規制がかかります。
- 森林法(林地開発許可): 1ヘクタール(10,000㎡)を超える森林を開発する場合、都道府県知事の許可が必要です。1ヘクタール以下でも「伐採届」の提出が必要なケースがほとんどです(自治体により面積要件は異なります)。
- 農地法: もし土地が「農地」であれば、勝手にキャンプ場にはできません。「農地転用許可」を得て、地目を変える手続きが必要です。
- 都市計画法: 市街化調整区域など、建物を建てることが制限されている区域では、コテージ等の建築ができない場合があります。
「火の取り扱い」に関する規制:消防法
不特定多数が火を使う施設であるため、消防への届出を忘れてはいけません。
- 防火対象物使用開始届: 建物を建てる場合はもちろん、BBQコンロなどの火気を使用する設備を設置する場合、管轄の消防署への届出が必要です。
- 火災予防条例: 自治体ごとに「焚き火」や「BBQ」の運用ルール(消火器の設置義務など)が決まっているため、事前の相談が必須です。

まとめ:項目別のチェックリスト
| 項目 | 条件 | 必要な許可・届出 |
|---|---|---|
| 宿泊 | 建物や常設テントがある | 旅館業許可(簡易宿所営業) |
| 食事 | 食材をセットで販売する | 飲食店営業許可 |
| お酒 | 酒を提供する | 場合によっては一般酒類小売業免許が必要な場合があります |
| 土地 | 1ha以上の森林を拓く(自治体により面積は異なります) | 林地開発許可 |
| 火気 | コンロ等を常設する。火器を使用するなど | 防火対象物使用開始届 |
その他浄化槽法、道路法、公衆浴場法(入浴施設)なども関係する場合があります。
キャンプ場経営は、自治体によって独自の条例があることも珍しくありません。まずは「保健所」「消防署」「役所の都市計画課」の3箇所へ、計画図面を持って相談に行くのがよいと思います。ルールを守って、安全で最高のキャンプ体験を提供しましょう!
※ 本記事は一般的な法制度の解説です。実際の開設にあたっては、必ず管轄の行政機関や専門家(行政書士等)にご相談ください。当事務所にもお気軽にご相談ください。
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