令和7年(2025年)4月1日より、厚生労働省が定める「旅館業における衛生等管理要領」が改正され、フロント(玄関帳場)に関する要件が見直されました。
通常、ホテルなどの旅館業施設は、フロントを設けて対面でチェックイン、出入りの監視を行うことが主流でしたが、近年、フロント代替設備として、ICT機器(情報通信技術を活用した機器、つまりタブレット端末や監視カメラを組み合わせた設備)により、無人でチェックイン、監視を行い、フロントを物理的に廃止することができるようになりました。
参考:通常、旅館業や住宅宿泊事業で想定されるチェックインの方法
- 従来のフロントを設置した形態
- フロントは廃止するが、鍵の受け渡しや宿泊者名簿の記入は対面で行う(電話やインターホンでの通話、また、電子錠、キーボックスなどの利用が可能である自治体もあります。)
- ICT機器、連動したシステムを利用し、無人でチェックイン・チェックアウトを行う方法
こうした、フロント代替設備に係る規制の緩和、基準の明確化の背景としては、人手不足やICT機器やアプリケーションの発展があげられますが、以下に、主なポイントを整理しましたので、解説します。
主な改正ポイント
フロント対面による本人確認の代替方法に新類型が追加されました。
旅館業における人手不足の状況や ICT の進展等を踏まえ、旅館業における衛生等管理要領(「公衆浴場における衛生等管理要領等について」(平成 12 年 12 月 5 日付け生衛発第 1811 号厚生省生活衛生局長通知)別添3)の一部を改正し、新たに以下のような緩和措置が設けられました。
1. 本人確認方法の拡充|自動チッェクイン
(1)ビデオカメラ等での従業員による本人確認
(2)自動チェックイン機器等を通じた情報の照合による本人確認 ※この項目が追加になりました。
これにより、常時スタッフを置くことなく、効率的にフロント業務を合理化できるようになります。※ただし、各自治体がこのような運用を条例上認めるかは、自治体の対応次第となります。

2. 防犯対策の柔軟化
- 出入りの状況を常時鮮明な映像で確認できるよう、監視カメラなどを利用した防犯対策の方法もより具体的に示され、本質的な意味での無人化が可能となりました。

3. 外国人宿泊者のパスポート保存方法の明確化
- 日本に住所を有しない外国人宿泊者について、従来はパスポートの写真の原本保存が必要で、各自治体での運用もまちまちでしたか、今回の改正により、自動チェックイン機器等を通じた電子的な保存を含む保存方法が明文化されました。

施行日と参考資料
- 施行日:令和7年(2025年)4月1日
- 詳細については、厚生労働省から提供されている「フロント要件の見直しに係るリーフレット」や「改正通知(衛生等管理要領)」などの資料にまとめられています
https://www.mhlw.go.jp/content/001439321.pdf?utm_source=chatgpt.com

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