マンション管理業登録

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マンション管理業とは|マンション老朽化が進み管理業務が複雑化

マンション管理業とは、分譲マンションの管理組合から委託を受けて管理事務を行うもののことで、その業務については、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)第2条に規定されています。

なお法人がほとんどですが、個人でも登録が可能です。が今回はマンション管理業の登録要件について解説いたします。

マンション管理業の業務

❶管理組合の会計の収入及び支出の調定
❷出納
❸マンション(専有部分を除く)の維持・修繕に関する企画又は実施の調整を含むマンションの管理事務

※マンションの管理事務とは、「基幹事務」を含み、事務管理業務、管理員事務、清掃業務、設備管理業務 を行うもので、清掃のみなどはマンションの管理業務ではありません。

マンション管理業登録要件

新規でマンション管理業登録を行う場合、また有効期間経過後の更新を行う場合には、以下の要件を満たすことが必要です。

1マンションの管理の適正化の推進に関する法律第47条第1号から第8号に掲げる欠格要件に該当しないこと
※以下 法律第47条第1号から第8号の抜粋と解説
 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
 ➡戸籍情報の身分証明書で確認
 第八十三条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
 マンション管理業者で法人であるものが第八十三条の規定により登録を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にそのマンション管理業者の役員であった者でその取消しの日から二年を経過しないもの
 第八十二条の規定により業務の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
 この法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
 マンション管理業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの
 法人でその役員のうちに第一号から第六号までのいずれかに該当する者があるもの
 事務所について第五十六条に規定する要件を欠く者
 マンション管理業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない者
➡法人の場合、300万円以上の資本金
2専任の管理業務主任者を設置すること
➡合格者ではなく、登録車が必要。30組合に1名以上の管理業務主任者が必要

現在のマンションを取り巻く状況

従来は管理業務というと、管理組合の総会、理事会の対応が主で、また、管理は会計管理や清掃、点検等のオペレーションが主な業務ですが、最近は、マンションが老朽化が老朽化そして、住民が老朽化し、わが国では、昭和30年代からマンション建設が活発になりましたが、当時建設された建物が現存していれば、築60年近くになります。

現在、全国のマンション数は約644万戸ですず、このうち、築30年以上が約185万戸で、特に問題が多いと思われる、耐震に係る建築基準法改正以前【昭和56年5月以前施行(建築確認)】のいわゆる旧耐震の建物が実に約104万戸存在します。

また、これらのマンションでは住民が高齢化し、建替えや改修のコンセンサスを得ることが極めて困難になっている事例もあり、修繕や建替えどころか、管理費や修繕積立金の徴収も困難になっている事例も多数見受けられます。

マンション管理の法律|マンション管理適正化法と管理業務

以下ねマンション管理業に係る法律の要件をご紹介します。

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。

~五 抄
 管理事務 マンションの管理に関する事務であって、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう。以下同じ。)を含むものをいう。
 マンション管理業 管理組合から委託を受けて管理事務を行う行為で業として行うもの(マンションの区分所有者等が当該マンションについて行うものを除く。)をいう
 マンション管理業者 第四十四条の登録を受けてマンション管理業を営む者をいう。
 管理業務主任者 第六十条第一項に規定する管理業務主任者証の交付を受けた者をいう。
 
第四十四条 マンション管理業を営もうとする者は、国土交通省に備えるマンション管理業者登録簿に登録を受けなければならない。
 マンション管理業者の登録の有効期間は、五年とする。
 前項の有効期間の満了後引き続きマンション管理業を営もうとする者は、更新の登録を受けなければならない。
 更新の登録の申請があった場合において、第二項の有効期間の満了の日までにその申請に対する処分がなされないときは、従前の登録は、同項の有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、なお効力を有する。
 前項の場合において、更新の登録がなされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。
出典:マンション管理適正化法2条、44条(抄)http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/b06111/kenseibup/fudousan_m_h12ho149.htm

マンション管理業に必要な要件

前期の第44条のとおりですが、以下の要件があります。

専任の管理業務主任者の設置

専任の管理業務主任者(登録している者)が必要です。各事務所ごとに、一定数➡管理組合30組合につき1名以上の専任の管理業務主任者が必要です。管理業務主任者は試験に合格しただけではなく、【管理業務主任者証の交付】を受けたものである必要があり、また、「専任」とは、マンション管理業を営む事務所に常勤し、専らマンション管理業に従事する状態(法第47条第10号)をいい、専任の宅建士との併任はできません。

財産的な要件

マンション管理業を遂行するために必要と認められる基準に適合する財産的基礎の要件があります。具体的には、資産(創業費その他の繰延資産及び営業権を除く。)の総額から負債の総額を控除した基準資産額が300万円以上を有すること(法第47条第11号、施行規則第54条及び第55条)とされていますので、

貸借対照表の資産から負債を差し引きした純資産(旧資本の部)が、300万円以上ある必要があります。

マンション管理業登録申請に必要な書類

マンション管理業登録に必要な書類はこちらです。ダウンロードしてお使いください。

申請書名称解説様式
❶登録申請書●新規の申請の場合:各地方整備局等の所在地を管轄区域とする税務署へ登録免許税として9万円を納付➡領収書原本を申請書の第六面に貼付(郵便局又は国庫金を扱う金融機関で可能)郵便局が便利です。
 マンション管理業登録に係る登録免許税の納付先税務署について
●更新の申請の場合:申請書第六面に更新登録手数料12,100円分の収入印紙を貼付。

 

( 様式第十一号)

申請書様式・申請に必要な法定書類一覧・申請書作成上の注意点[Excel:167KB]
(記入例)登録申請[PDF:230KB]

❷ 誓約書

 

 
代表者の記名+押印(法人の場合、会社の印鑑)が必要です。
 様式第十二号添付書類(1))

 

該当ページ:9ページ

❸マンション管理業経歴書 
 様式第十二号添付書類(2))

 

該当ページ:10ページ

❹事務所について専任の管理業務主任者を設置していることを証する書面代表者の記名+押印(法人の場合、会社の印鑑)が必要です。
 様式第十二号添付書類(3))

 

該当ページ:10ページ

身分証明書

 

(破産を受けていない証明です。)

法人の場合は

 

●相談役、顧問を含む役員全員 ●専任の管理業務主任者全員 が対象

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨+成年被後見人及び被保佐人とみなされる者に該当しない旨の本籍地の市区町村の証明書(身分証明書)で発行日から3ヶ月以内のもの➡身分証明書を申請します。(戸籍謄交付申請書の該当欄を選択しを入れて申請)

本籍のある市区町村の戸籍事務の窓口で【身分証明書】というものを取得します。

 

※参考 大田区の場合の様式はこちら

窓口申請用:戸籍証明等交付申請書(PDF:1,605KB)

郵送請求用:郵送による戸籍証明書等請求書(PDF:199KB)

❻ 法人の場合、相談役及び顧問の氏名及び住所並びに株主又は出資している者について記載した書面法人の場合は

 

●相談役、顧問を含む役員全員 ●専任の管理業務主任者全員 が対象

 様式第十二号添付書類(4))

 

該当ページ:12~14ページ

❼  略歴書申請者(法人の場合は相談役及び顧問を含む役員全員)及び専任の管理業務主任者全員についての略歴を記載します。

 

法人の場合は

●相談役、顧問を含む役員全員 ●専任の管理業務主任者全員 が対象

個人の記名+押印(認印)が必要

 様式第十二号添付書類(5))

 

該当ページ:16ページ

❽貸借対照表、損益計算書法人の場合、直前1年の各事業年度の貸借対照表及び損益計算書を添付します。

 

●貸借対照表

●損益計算書

※決算書や、法人税等の申告に使用した決算書に添付されたB/S、P/Sの写しを添付書類とします。

 
❾個人の場合、資産に関する調書個人の場合は、17ページの様式に記載しますので、所得税の申告書などに添付の貸借対照表から転記します。
 様式第十二号添付書類(6))

 

該当ページ:17ページ

納税証明書●法人の場合は法人税の直前1年の各年度における納付すべき額及び納付済額を証する書面(納税証明書)➡管轄税務署で取得

 

●個人の場合は所得税の直前1年の各年度における納付すべき額及び納付済額を証する書面(納税証明書)➡管轄税務署で取得

納税証明書(その1)➡納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明

 

納税証明の申請書

(代理人が請求書を持参する場合)

(交付請求書及び委任状の記載例)

登記簿謄本(法人)

 

住民票(個人)

●法人の場合は履歴事項全部証明書(登記簿謄本)

 

●個人の場合は住民票の抄本

 
⓬第三者との間で返還債務の保証契約を締結した場合は、当該保証契約に関する事項を記載した 書面保証契約がなければ、記載は不要
 様式第十二号添付書類(7))

 

該当ページ:18ページ

登記されていないことの証明書 その他登記されていないことの証明書(役員、専任主任者、相談役、顧問)

 

申請者(法人の場合は相談役及び顧問を含む役員全員)及び専任の管理業務主任者全員について、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の東京法務局等の発行する登記事項証明書で発行日から3ヶ月以内のもの
被補助人などの場合は、契約の締結及びその履行にあたり必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができる能力を有する旨を記載した医師の診断書を添付します。

東京法務局登記されていないことの証明書の掲載ページ
⓮角2封筒申請者のあて先を明記した角2サイズ(A4判の書類が入るもの)の返信用封筒 

マンション管理業の申請費用

申請時に登録免許税9万円の納付が必要です(新規)。

●新規の申請の場合
その領収書原本を申請書の第六面に貼付してください。➡手続きは郵便局か国庫金を扱う金融機関でお支払いください。

https://www.mlit.go.jp/common/000006540.pdf

https://www.kkr.mlit.go.jp/kensei/kensetsu/fudousanjyounado/mansion/qgl8vl00000054sr-att/mankan_tax.pdf

●申請先

建設産業・不動産業:地方整備局に関する窓口 - 国土交通省
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。

※申請を当事務所にご依頼する場合は、お問い合わせください。

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