種苗法改正|検討委員会の内容の解説

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種苗法の改正については、「優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会」で議論されていましたが、2019.11.5に検討会としての答申「優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関するとりまとめ」が取りまとめられています。主な内容は、以下に掲載してあります。

https://www.maff.go.jp/j/council/sizai/syubyou/19/attach/pdf/index-24.pdf

第6回 優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会:農林水産省

検討委員会の結論としては、

  • 持ち出し制限:国内限定や地域限定などの持ち出し制限、種苗の利用条件の表示の義務化、無海外流出の制限
  • 自家増殖の原則禁止:登録品種の自家増殖を許諾制にする。団体による一括許諾などの事務軽減措置
  • 権利侵害の立証のバックアップ: 品種登録の権利侵害の立証を、特性表を用いることで容易にする。ガイドライン策定など。海外における権利化の推進など
  • 特許法などとの整合性を図る:海外からの出願者に日本国内代理人を義務付け
  • 罰金刑:10年以下の懲役または罰金1000万円(法人の場合は3億円)以下の刑事罰を科すことができるように

以下、個別に解説していきます。

持ち出し制限

現行の種苗法は、販売後は育成者権を行使できずないため、株を増殖させて販売しようが、海外に流出させようが、特段の罰則はなく、「植物の新品種の保護に関する国際条約(UPOV)」加盟国であれば種苗の持ち出しも自由でした。例えば、山梨県のシャインマスカットが韓国や中国に流出していますが、何ら対策を打たなかったため(相手国で種苗登録すれば権利は保護されます)、差し止めることはできませんでした。

検討委員会は、これを改正し、育成者権を持つ者が「国内や地域内などの栽培地域を限定する条件」をつけた場合、区域外への持ち出しに対して、育成者権を行使できるようになります。これにより、自家増殖の差し止め、損害賠償請求を可能にするものです。

自家増殖の禁止

持ち出しや自家増殖については、許諾性とすることで、域外、海外流出を防止するものです。

権利侵害の立証 、特許法との整合性

これまで種苗法の権利侵害の立証は、比較栽培という手法が求められ、立証が著しく困難でした。改正案は、特徴をまとめた特性表用いて、手続きを簡素化します。

また、特許法やその他の知的財産関係の法令との整合も図ることが指摘されています。

種苗法は子君違法であり、海外には適用できないため、権利を外国で主張するためには、海外で海外の法律に基づき品種登録を行う必要がありますが、海外登録品種の権利を一元的に対応する体制整備を求められました。

問題点の指摘などその他の事項

以下のような問題点が指摘されています。

許諾制になれば、種苗利用のための自家増殖に新たな料金が発生する可能性があり➡これは同然だとは思います。

許諾契約の手間もかかる。手続きの簡便化等。➡おそらく、栽培の方法や使用する農薬なども細かく定められていると考えられるため、農協などが組合員を代表して一元的に契約などが想定されるのではないでしょうか。

在来種、固定種など登録品種以外の一般品種は、特に利用制限がないこと。➡※すでに種苗法は廃止され、自治体の種苗能力に期待できないため、国内の種苗生産者の減少、在来種、固定種の種子の維持ができなくなることを懸念。支援を求めることを要請など、

詳細はこちらご覧ください。

出展 農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/council/sizai/syubyou/19/attach/pdf/index-24.pdf

今後の懸念事項

①国内の種苗会社が減少し又は外資に買収した場合、栽培する苗、種の選択肢がなくなるという懸念➡可能性はあります。例えば、自家増殖不可、しかも購入する苗などに選択肢がなくなると(通常、使用する農薬なども指定されます)、外資種苗会社の独占販売になり、耕作作物の選択制がなくなる。

②在来種や固定種の種の供給がなくなる➡従来は、種子法に基づき、自治体が供給していましたが、すでに種子法は廃止され、種苗会社や農家に供給する地域の固定種や在来種の消滅を懸念

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