12月5日 旅館業法改正案衆議院通過「民泊監視法案」成立間近! 法案全文掲載

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旅館業法改正案全文

第一九三回

閣第五〇号

   旅館業法の一部を改正する法律案

 旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)の一部を次のように改正する。

 第二条第一項中「ホテル営業、旅館営業」を「旅館・ホテル営業」に改め、同条第二項中「ホテル営業」を「旅館・ホテル営業」に改め、「洋式の構造及び設備を主とする」を削り、同条第三項を削り、同条第四項を同条第三項とし、同条第五項を同条第四項とし、同条第六項を同条第五項とする。

 第三条第一項中「経営しようとする者」を「営もうとする者」に改め、同項ただし書中「ホテル営業、旅館営業」を「旅館・ホテル営業」に、「経営しよう」を「営もう」に改め、同条第二項中「各号の一」を「各号のいずれか」に改め、同項第三号中「前二号の一」を「第一号から第五号までのいずれか」に改め、同号を同項第七号とし、同項第二号中「取消」を「取消し」に改め、同号を同項第四号とし、同号の次に次の二号を加える。

 五 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から起算して五年を経過しない者(第八号において「暴力団員等」という。)

 六 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が前各号のいずれかに該当するもの

 第三条第二項第一号中「この法律又は」を「禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律若しくは」に、「基く」を「基づく」に改め、「違反して」の下に「罰金以下の」を加え、「終り」を「終わり」に改め、同号を同項第三号とし、同号の前に次の二号を加える。

 一 成年被後見人又は被保佐人

 二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

 第三条第二項に次の一号を加える。

 八 暴力団員等がその事業活動を支配する者

 第三条の四中「かんがみ」を「鑑み」に、「営業の」を「旅館業の」に改める。

 第四条第一項及び第三項中「営業の」を「旅館業の」に改める。

 第六条第一項中「営業者は、」の下に「厚生労働省令で定めるところにより旅館業の施設その他の厚生労働省令で定める場所に」を、「その他の」の下に「厚生労働省令で定める」を加え、「当該職員」を「都道府県知事」に改める。

 第七条第一項中「必要があると認めるときは」を「この法律の施行に必要な限度において」に、「営業の」を「旅館業の」に、「検査させる」を「検査させ、若しくは関係者に質問させる」に改め、同条第二項中「前項」を「前二項」に、「且つ、関係人」を「かつ、関係者」に、「呈示しなければ」を「提示しなければ」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 都道府県知事は、旅館業が営まれている施設において次条第三項の規定による命令をすべきか否かを調査する必要があると認めるときは、当該旅館業を営む者(営業者を除く。)その他の関係者から必要な報告を求め、又は当該職員に、旅館業の施設に立ち入り、その構造設備若しくはこれに関する書類を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

 第七条に次の一項を加える。

4 第一項及び第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 第七条の二中「営業の」を「旅館業の」に改め、「規定に基く」を削り、同条に次の二項を加える。

2 都道府県知事は、旅館業による公衆衛生上の危害の発生若しくは拡大又は善良の風俗を害する行為の助長若しくは誘発を防止するため必要があると認めるときは、当該営業者に対し、公衆衛生上又は善良の風俗の保持上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

3 都道府県知事は、この法律の規定に違反して旅館業が営まれている場合であつて、当該旅館業が営まれることによる公衆衛生上の重大な危害の発生若しくは拡大又は著しく善良の風俗を害する行為の助長若しくは誘発を防止するため緊急に措置をとる必要があると認めるときは、当該旅館業を営む者(営業者を除く。)に対し、当該旅館業の停止その他公衆衛生上又は善良の風俗の保持上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

 第八条中「若しくは」の下に「この法律に基づく命令の規定若しくは」を加え、「第三条第二項第三号」を「第三条第二項各号(第四号を除く。)」に、「期間」を「一年以内の期間」に、「営業の」を「旅館業の全部若しくは一部の」に、「当該営業」を「当該旅館業」に改める。

 第八条の二中「営業の」を「旅館業の」に改め、「規定に基く」を削り、「前二条」を「第七条の二(第三項を除く。)又は前条」に改める。

 第十条中「左の各号の一」を「次の各号のいずれか」に、「又は三万円」を「若しくは百万円」に、「処する」を「処し、又はこれを併科する」に改め、同条第一号中「同条同項」を「同項」に、「経営した」を「営んだ」に改める。

 第十一条中「左の各号の一」を「次の各号のいずれか」に、「五千円」を「五十万円」に改め、同条第二号中「第七条第一項」の下に「又は第二項」を加え、「忌避した」を「忌避し、若しくは質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした」に改め、同条に次の一号を加える。

 三 第七条の二第二項又は第三項の規定による命令に違反した者

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第五条及び第十条の規定は、公布の日から施行する。

 (検討)

第二条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況を勘案し、当該規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

 (経過措置)

第三条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の旅館業法(以下「旧旅館業法」という。)第三条第一項の許可を受けて旧旅館業法第二条第二項に規定するホテル営業又は同条第三項に規定する旅館営業を経営している者は、この法律による改正後の旅館業法(以下「新旅館業法」という。)第三条第一項の許可を受けて新旅館業法第二条第二項に規定する旅館・ホテル営業を営む者とみなす。

第四条 新旅館業法第八条(旅館業法第三条の二第一項に規定する営業者が新旅館業法第三条第二項各号(第四号を除く。)に該当するに至ったときに係る部分に限る。)の規定は、この法律の施行の際現に新旅館業法第三条第二項第一号、第二号、第三号(旅館業法又は同法に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者に係る部分を除く。)、第六号(営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が新旅館業法第三条第二項第一号から第四号までのいずれかに該当するものに係る部分に限る。以下この条において同じ。)又は第七号(法人であって、その業務を行う役員のうちに新旅館業法第三条第二項第一号、第二号又は第三号(旅館業法又は同法に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過していない者に係る部分を除く。以下この条において同じ。)のいずれかに該当する者があるものに係る部分に限る。以下この条において同じ。)のいずれかに該当している旧旅館業法第三条第一項の許可を受けて旧旅館業法第二条第一項に規定する旅館業を経営している者が、引き続き新旅館業法第三条第二項第一号、第二号、第三号、第六号又は第七号のいずれかに該当している場合については、この法律の施行の日(次条及び附則第九条において「施行日」という。)から起算して三年を経過する日までの間は、適用しない。

 (施行前の準備)

第五条 新旅館業法第三条第一項の許可を受けて新旅館業法第二条第二項に規定する旅館・ホテル営業を営もうとする者は、施行日前においても、新旅館業法第三条第一項の規定の例により、その許可の申請をすることができる。

2 都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長)は、前項の規定による許可の申請があった場合には、施行日前においても、新旅館業法第三条第二項から第六項までの規定の例により、その許可を与えることができる。この場合において、その許可を受けた者は、施行日において同条第一項の許可を受けたものとみなす。

 (風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部改正)

第六条 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。

  第三十一条の二十三の表第四条第二項第二号の項中「ホテル営業又は同条第三項に規定する旅館営業」を「旅館・ホテル営業」に改める。

 (地方税法の一部改正)

第七条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七百一条の四十一第一項の表第九号中「旅館業法」の下に「(昭和二十三年法律第百三十八号)」を加え、「ホテル営業又は同条第三項に規定する旅館営業」を「旅館・ホテル営業」に改める。

 (奄美群島振興開発特別措置法等の一部改正)

第八条 次に掲げる法律の規定中「同条第五項」を「同条第四項」に改める。

 一 奄美群島振興開発特別措置法(昭和二十九年法律第百八十九号)第十一条第四項第二号

 二 小笠原諸島振興開発特別措置法(昭和四十四年法律第七十九号)第十一条第四項第二号

 三 観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律(平成二十年法律第三十九号)第十二条第一項

 (罰則に関する経過措置)

第九条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第十条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

     理 由

 旅館業の業務の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発達を図り、公衆衛生及び国民生活の向上に寄与するため、ホテル営業及び旅館営業の営業種別の統合、都道府県知事等による旅館業を営む者に対する緊急命令の創設、無許可営業者その他旅館業法に違反した者に対する罰金の上限額の引上げ等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

11月24日の衆議院厚生労働委員会で旅館業法改正案の一般質疑が行われました。旅館業法の一部を改正する法律案(内閣提出第7号)については、先の国会で提出されたものの成立せず、継続審議になつていましたが、今国会での成立を目指します。委員会では、加藤厚生労働大臣が提出理由を説明しました。

この改正法案は、特に、監督権限、罰則が強化される内容が織り込まりており、通称「民泊監視法案」とも呼ばれていますが、一方で、ホテルと旅館を統合するなど、一部規制緩和ともみられる内容を包含しています。

旅館業法改正案は、12月5日の衆院本会議で全会一致で可決し、参院に送付されました。

このまま進めば、今国会で成立する見通となります。

規制強化項目

1. 無許可営業者に対する都道府県知事等による報告徴収及び立入検査等の権限規定の措置を講ずる。
2.無許可営業者等に対する罰金の上限額を3万円から100万円に、その他旅館業法に違反した者に対する罰金の上限額2万円から50万円に引き上げる。

規制緩和項目

ホテル営業及び旅館営業の営業種別を統合し、旅館・ホテル営業とする。

※なお、法律が改正されると、旅業法施行令、旅館業法施行規則、ガイドライン、自治体条例などの関連規定も変わると思われますので、この中で、要件緩和の方向性が示される可能性があると思われます。

旅館業法の法改正案の内容は前回提出と同様ですが、以下に、リンクを掲載します。

旅館業法の一部を改正する法律案(平成29年3月7日提出)29年度特別国会で再審議

動画解説もしておりますので、こちらもご覧ください。

改正案各条文のポイント

第2条のポイント 旅館営業、ホテル営業の統合です。

和式・様式の区別もなくなり、10室以上などの部屋数の要件はなくなります。

第3条のポイント 許可しない場合の要件です。

現行は、旅館業法違反の有無などが要件でしたが、改正後は、制限能力者、破産者、暴力団などが加えられ、最近の法律並みに要件の明確化が図られます。

第7条のポイント 立入り調査権が大幅に拡大されます。

第10条のポイント 罰則が大幅に強化されます。

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