爆買い終了でどうなる不動産投資と民泊!?

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2016年の日本の消費動向とインバウンド

日本百貨店協会が2017.1.20日に発表した2016年の全国百貨店売上高は前年比2.9%減の5兆9780億円でした。

これは、2年連続で減少していて、6兆円を割り込むのは、実に、1980年の5兆7,225億円以来36年ぶりです。

中でも、主力の衣料品が低迷しており、顕著に見られるのは、訪日外国人(つまりインバウンド)による免税売上高の減少です。

一時期は、特に中国人が、ものすごい勢いで百貨店のみならず、電気量販店、スーパー、挙句の果てには本不動産まで買いあさるというまさに「バブル」とも言っていい勢いでしたが、ブームは終了、銀座などの繁華街や不動産マーケットからは、爆買いの中国人は撤退しました。

さて、全国百貨店売上高に戻りますが、1991年の9兆7,130億円が最高で、これは、おもに日本のバブル経済の勢いなのですが、現在の市場は約4割減となっていいます。

2016年は、閏年で営業日が1日多かった2月を除き、のこりの11月はすべてマイナスでの推移となっています。

面白いのは、免税売上高(インバウンド)ですが、購買客数は18.5%増と拡大しているものの、売上高自体は5.3%減の1,843億円となっています。

つまり、外国人のお客さんのは客単価が低くなり、財布の紐が固くなったということなのです。2016年12月の全国百貨店売上高は、前年比1.7%減の6942億円と、10カ月連続マイナスになりました。

顧客別にみると、国内市場が2.0%減とふるわなかった一方で、インバウンドは、8.3%増の192億円と9カ月ぶりに前年を上回った結果となつています。単月の売上高としては過去2番目の高い水準となり、インバウンド需要は中国勢の爆買いがなくとも堅調に思えるかもしれませんが、ただし、伸びの1番の功労者は「為替」だと考えられます。

2015年12月1日 1ドル 124円

Currency通貨名略称 CodeTTSTTB
US Dollar米ドルUSD124.11122.11 

2016年12月1日 1ドル 115円

Currency通貨名略称 CodeTTSTTB
US Dollar米ドルUSD115.39113.39 

となっています。

つまり1年間で7%円高になっていますから、伸び率のほとんどが為替の影響ともいえますね。

インバウンドの不動産への影響

インバウンドの影響で顕著なのが不動産です。

特に東京の新築マンションが2015年ごろは、中国人がこぞって買いあさったため、価格が高騰し、これに、他の外国人や日本人が、ブームに乗り遅れてなるものかと、こぞってマンションを買いあさりました。

特に、住宅ローン減税、消費税、団塊世代の相続対策(いわゆるタワマン節税)という3つの要因も大きく関与していました。

なぜ爆買いブームが終了したのか?

そもそも、なぜ日本の商品が人気があるのかというと、それはズバリ「お買い得」だからです。

電化製品しかり、日用品しかり、不動産しかりです。いや「でした」というべきでしょうか。

なぜ日本の不動産物件はは中国人に人気なのか?

それは日本の物件の値段が中国の物件に比べてお買い得だからです。

1.中国の不動産は高騰しているため、値上がりが見込めない⇒対して、日本の不動産はは2020年東京オリンピックを見越して値上がりが期待!

2.東京の湾岸エリアの再開発

3.高い利回り⇒10%を超えるような不動産は魅力的

それでは自国の物件はどうかというと、地価は上昇し、不動産価値は高いものの、利回りについては、当然ながら、不動産価格が高すぎで低くなつている状態です。上海や香港、北京などの中国本国の沿岸部や都市部で顕著ですね。

したがって、日本人にとってはそれほど魅力的に感じないような表面利回りが数パーセント物件でも、中国人投資家からすれば、高利回りなのです。

不動産の爆買いブームも終了?

最近では家電などの爆買いブームと同様、不動産の爆買いも激減しています。皆無といってもいいでしょう。

湾岸エリアのタワーマンションも、売れ行きは低迷しつつあります。事実としてそうなのですが、その理由についは、

不動産の爆買いが終わった原因は、日本のモノに魅力がなくなったからではないのです。

これは、不動産のセールスマンも電気屋の販売員も気づいていないかもしれませんが、

政策的な要因なのです。

中国では国外への人民元の資金流出を防ぐため、一人年間に5万ドルまでしか海外に持ち出せないという規制があります。だれかに協力してもらったり、法人化したりと、中国人投資家たちはあらゆる方法を使ってこの規制をかいくぐってきたわけです。中国政府の英協の強い、香港やマカオ、欧米経由で、人民元を海外に投資していましたが、この規制が、ここ最近厳格になったからです。

なぜ、そんなに国外に資金を持ちだしたいのか理由は、様々ですが、結局、中国政府は、海外に商品を売って稼いだ外貨が、逆に海外に持ち出されては、成長率を維持で来ないため、最近はこの、5万ドル規制が強化され、海外への投資は相当困難になりました。

5万ドルは、日本円で500万強ですから、投資というには小さい金額です。

銀行の規制も強化

最近の話ですが、国家外為管理局(SAFE)は2016年12月31日付の声明で、

「マネーロンダリングや海外不動産投資を目的とした不正な資金移動に使われる抜け道をふさぐことが目的」だと説明し、5万ドル規制に加え、2017年1月1日から銀行に対しても締め付けを強化しました。

  • 銀行の顧客は資金が海外での不動産や証券、生命保険、投資型保険の購入に使われないと誓約する必要。※これまでは誓約への署名は義務付けられていませんでした。
  • 顧客は資金の使途について、出張費や留学費、親族訪問、治療、商品取引、非投資型保険商品の購入など、より詳細な計画の提供を義務付けられるほか、時期についても年・月ごとの説明が必要
  • 外為規則の違反者は通貨当局のウオッチリストに載り、3年間は外貨取得枠を認められず、マネーロンダリング捜査の対象となる
  • 顧客はマネロンや脱税、地下銀行取引に関する規制の順守を確認しなければならない
  • 顧客は他の個人との間で外貨取得枠の貸借を行っていないことを確認する必要

ブルームバーグ・インテリジェンスの推計によると、中国から2016年1月から10月に6890億ドル(約80兆8600億円)が流出したとのこと。

こうして、中国人にものすごい勢いで売れていた日本の物件が、最近はそれほど売れなくなってしまった、いや、正確には、「売ることができなくなってしまった」のです。

ただ、以前とは変わらず日本の物件を手段があれば購入したいと思っている中国人は多いようです。

中国の経済は、一時期の成長は鳴りを潜め、今後の先行きが見通せない状況です。以前の日本のような高度経済成長から、安定成長にシフトするにあたり、内需の拡大は急務です。そんな状況では、80兆円もの資金を海外に流出させていては、せっかく稼いだ外貨を寄付しているようなものですから、締め付けが厳しくなるのも理解はできます。

ただ、個人としては、日本の物件等を購入して、資産を移転させたいという願望は、理解できますから、日本の不動産がほしというマインドは理解できます。日本人が、フィリピンなどの高利回り不動産に手を出すのと全く理由が違うのが面白いのですが。

そして、投資だけではなく、移住を考えて日本の不動産を検討しているというケースもありますから、不動産だけではなく、日本の「住みやすさ」にも魅力を感じているのかもしれません。

民泊とインバウンド需要の今後

さて、最後に民泊との関係ですが、

インバウンド重要事態は伸び悩んでいますが、訪日外国人自体は増加を続けています。

中国からま訪日客についても、他の外国人以上に増加していますが、

冒頭でも述べたように、お金はあまり使わなまなってきています。したがって、家電製品などの伸びは頭打ち傾向ですが、

しかし、これだけ訪日外国人数が増加しているということは、「宿泊」需要は減ってはいない都言うことを意味します。

訪日する中国人の消費は、モノからサービスに移行しつつあり、宿泊需要も、持ちだせる金額が制限されていますから、自ずと宿泊費は安いものを求めるようになってきています。

さて、宿を提供する側はどうかというと、

〇ホテルについては、部屋数が増加しており、稼働率は高止まりですが、横ばいです。

〇民泊(無許可)については、件数の増加やダンピング競争が進み、価格が下落しています。

地域にもよりますが、首都圏でも、スーパー銭湯並みの料金で宿泊できる部屋も存在しています。

これは市場原理なのかもしれませんが、今後は民泊新法の制定に伴い、怒涛の勢いで、アパートなどの空き家物件が「空き家民泊」として、市場に流れ込むのは必至でしょう。

こうなれば、膨大な空や在庫の一室を利用した2000円程度の新法民泊の宿が乱立する可能性があり、

法の運用によっては、ホテル・旅館も含めて、宿泊業界は「大デフレ時代」に突入するのは必至です。

今後の新法制定と施行後の各自治体の動向から目が離せませんが、無許可民泊がいまできることは、取れるものならば、早急に「旅館業法上の許可」を取得し、ホテル、旅館、簡易宿所となり、正規の営業を行う宿として、少しでも早く民泊サイト以外の手段も利用し、全世界に宣伝し、少しでも早く有名になることでライバルに差をつけることではないでしょうか?

先行者利益を享受するには、残された時間はそう多くはありませんから、副業である民泊をビジネスに昇華させるには「決断」が必要ですね。

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